今回は絵本「たいせつなきみ」マックス・ルケード著いのちのことば社からネタを頂きました。では、どうぞ。
八 | おじさん(ものすごく暗く) |
伯 | おお、ど、どないした?ものごつう暗いぞ。また何か有ったんか。 |
八 | うん、もう…あかんわ… |
伯 | あらあら、今日のへこみ方はいつもと違うぞ。なんや、言うてみ。 |
八 | もうあかんわ、生きてかれへん。 |
伯 | おいおい、ただ事やないな。ほんまにどないした、言うてごらん。 |
八 | おれな、全部だめやねん。 |
伯 | どういう意味や。なんか有ったんか? |
八 | あのな、宿題を忘れてしもうたんや。 |
伯 | そんなもん、宿題忘れる事ぐらい誰かてあるやろ。 |
八 | それだけとちゃうねん。 |
伯 | うんうん |
八 | その宿題はな、昨日やろうと思って忘れててん。 |
伯 | うんうん、お前よくそうやって忘れものしてるわな。 |
八 | でな、けさ、朝ご飯食べた後で急いでやってん。 |
伯 | おお、偉いやないか。 |
八 | やったとこが悪かった。 |
伯 | なんじゃそりゃ |
八 | 宿題を終わらせて、鞄に入れようと思って、食卓から子ども部屋にいったや。 |
伯 | ほうほう |
八 | そしたら居間のテレビで「今日のワンコ」やってたんや。 |
伯 | あれ可愛いなぁ。今度家の犬も応募したろと…ああ、御免御免。それから? |
八 | それ見てから鞄持って学校行ってん。 |
伯 | 何となく落ちが見えてきたけど、それで? |
八 | 学校行って鞄開けたら、ノートが無い。 |
伯 | やっぱりな。居間に忘れたんやろ。 |
八 | うん。 |
伯 | それで怒られたんか。 |
八 | うん、それで、ペナルティーにプリント問題出されたんや。 |
伯 | それを明日までにやってったらいいんやろ?それやったらええやないか。 |
八 | うん。 |
伯 | そんなもん忘れ物ぐらいで落ち込むな。 |
八 | そうやけど、テッちゃんなんか、忘れ物一回もした事ないし、あーちゃんは勉強バリバリ出来るし、マー君はスポーツ万能やし。俺なんか勉強あかんし、スポーツもあかんし、歌もへたくそやし。もうあかん。 |
伯 | こら重症やな。 |
八 | な?重症やろ?もう死ぬしかない。 |
伯 | おいおい。そんなアホなこと言うな。 |
八 | ほら、伯父さんまで、アホやて |
伯 | ちゃうちゃう。関西人のアホは「可愛い」ていういみもすこしあるからな。心配せんでもええ。あのな、こういう話しがあるんや。 |
八 | 何ですか? |
伯 | 絵本の話なんやけどな。有る所にエリって言う彫刻家が木で作ったウイミックスて言う小人が住む町が有ったんや。 |
八 | あっ知ってる知ってる。星シールと駄目シールを付けるヤツでしょ。 |
伯 | そうやそうや、みんな外見とか、才能とかでシールを貼りあってたんや。その中にパンチネロて言う小人がいた。何やっても上手く行かない。だから全身駄目シールやった。 |
八 | 全身駄目シールだらけ。俺や。 |
伯 | まあまあ慌てるな。ところが有る時シールを一つも付けてない小人を見つけた。 |
八 | ルシアでしょ。 |
伯 | そうやな。彼女は誰にも付けられなかったのと違うんや。誰がつけようとしてもシールが着かなかったんや。 |
八 | なんでやろ。 |
伯 | そこやな。なんでシールが着かないかルシアに聞いたら「エリに会いに行けばいい」と言われて会いに行った。 |
八 | 丘の上の作業小屋。 |
伯 | そこでエリから、エリがどれほどパンチネロのことが大切に思っているかと言うことを聞いた。自分を作ってくれた作り主が自分のことを大切に思ってくれている、って凄いことや無いか。 |
八 | そらそうやけど、あれは木で作った小人の話やないですか。 |
伯 | あのな、作り主ってピンとこんか? |
八 | へ?解らん |
伯 | もう一つ。エリって名前聞いたことないか。 |
八 | エリって名前でしょ。隣のクラスにはエリちゃんいますけど。 |
伯 | もう一つヒント。「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」て聞いたことないか。 |
八 | あ、この間イースターの前に聞いた。十字架の上でイエスさんが言わはったヤツでしょ。 |
伯 | そうや。あそこの意味は「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」て言う意味やったやろ。 |
八 | そうや、そしたらこの絵本のエリって「わが神」て言う意味ですか? |
伯 | 多分そう言う意味で言っているんやな。 |
八 | そうかぁ、そしたらあの小人達が人間のことですか? |
伯 | そうや、回りの人間がどう言おうと神様に大事に思われていて、神様が喜ぶ事を大事に思っている事が大事っちゅうことや。 |
八 | そうかぁ、神様は失敗せえへんもんなぁ。 |
伯 | そうや、失敗作は一つもない。なそう思ったら落ち込まんでもええやろ。 |
八 | 解ったわ。ちょっと元気になってきました。 |
伯 | よし、解ったらそのプリントやってしまえ。 |
八 | それがあきません。 |
伯 | なんでや?もう落ち込まんでもええやろ。 |
八 | いや違うんねん。 |
伯 | そうしたらできるやろ。どんなことが会っても神様は八のことを大切にしてくれてるんやぞ。 |
八 | いや、それは解ってるけど。プリント、学校に忘れてきた。 |
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