寒いですねえ。昔の暦では大寒と言っていちばん寒い時期とされています。東京の人に、こっちの気温の話をすると信じられんようです。ところで、この「信じられん寒さ」の「信じる」ってどう意味ですか、今風に言うと「信じらんな〜〜い」ってやつ。教会でも「信じる」という言葉が出てきますが、「信じらんな〜〜い」というのよりはちょっと意味が複雑です。今日の話しはそのイエス様の力を信じて、イエス様に褒められた人の話です。紙芝居でも見たことがあるかもしれませんが、さて誰でしょう。

八	伯父さん、こんちは。
お	おお、こんにちは。どうした？
八	お母ちゃん、勉強せえせえってうるさいさかいに、逃げてきた。
お	そら、あかんなぁ、だいたいおまえは…
八	いや、ちゃうねん、せ、聖書の勉強をな、ちょっと…ちょっと教えて欲しいねん。
お	また、上手いこと言うて、まぁ、ええか、なんや。
八	「イエス様を信じる」ってどう意味です？イエス様がいてはったことは信じてるんですけど？それだけや無いってどういう意味です？
お	お、ええとこに気づいたな。そうやな、百人隊長の話し知ってるか。
八	ちょっとだけ、でもよう解らん。
お	百人隊長はローマ軍の兵士やったんや。そやから、当時のイエス様達のユダヤ教とは違う宗教やった。
八	へー、それやったらなんで、ユダヤの長老がその隊長の部下を治すように頼んだんです？
お	そこやな、この隊長、違う宗教やったけどイエス様のことを信じてたんや。それで、ユダヤ教の人たちにも親切にして、いろいろと協力してくれてた。そやから、長老も隊長の頼みを聞いてやったんや。隊長はイエス様やったら、部下の病気が治せると信じてた。
八	あ「信じてた」ってこれも「信じる」ことや。
お	そうや、でもなこの隊長の信じ方は半端や無かった。
八	どういう意味です？
お	その当時はな、ユダヤ教の人はローマ人とか他の宗教の人たちと会わないようにする、習慣があったんや。
八	そうでっか
お	しかも相手は神様の子イエス様や、自分の家に入ってもらうにはあまりに勿体ない、と考えたんやな。
八	そうそう、来てもらわなくても良いです。ってヤツでしょ。「おことばをいただかせてください」てとこが解らん。
お	「おことばをいただかせてください。」ていうのは「言葉だけで十分です」と言う意味やな。軍隊っちゅうのは、上官の命令ってのは絶対なんや。百人隊長の部下の兵隊百人は隊長の命令に絶対従った。イエス様は神様の子でこの世界を支配してはるから、隊長と同じように「治れ」って言葉で命令するだけで治ると信じてたんやな。
八	あ、また「信じる」そうかぁ、イエス様の力も信じてたんや。
お	そうや、よう気づいたな
八	おおきに、ありがとう。
お	おお、またなんか解らんことがあったらおいで。
	と、八、お母さんに怒られて逃げてきたのも忘れて帰ってきますと、お母さんが待ちかまえています。
母	こらっ八。どこへ逃げてたんや、もうあんたは、お仕置きや、こっちへ来なさい。
八	ひえ〜〜〜、そんな怒らんといて、お言葉だけで結構です。