落語 de 聖書

「捕らえられた女」ヨハネによる福音書8章1-11節 (2002/3/17)

お?どないしたんや、えらい元気ないな。お〜〜い、八。
は〜?(振り向く)
どないした、じょぼ〜〜んとして。
う〜〜ん?あんなぁ、お兄ちゃんのな、ゲームしててん
うんうん、プレステっちゅうやつか?
うん。そしたらな、ゲームがな、途中で止まりよんねん。フリーズ。
はは〜〜、ディスクに傷つけたな?謝ったんか?
まだやねん。どないしょ〜〜。お兄ちゃんに怒られる。(;_;)
大丈夫や、赦してくれるて、謝ってこい。
そんなん怖いて、絶対パンチが飛んでくるわ。(;_;)
大丈夫や。あんな、聖書にな、こんな話があんねん。
分かった、イエス様の奇跡でディスクが直った話。\(^o^)/
あのな〜〜(--;。あの時代にディスクなんか無いわい。
ある日イエス様がいつものように、集まった人々に聖書と神様のことを教えてはったんや。そしたらパリサイ派と律法学者の連中が、ものすごい重い罪で捕まった女の人を連れてきた。
パリサイ派って何ですか?
その頃の聖書の律法を守っている事だけが自慢の連中や。イエス様が自分たちより人気あるから悔しいて悔しいて…、何とか捕まえて殺そうと企んでたんや。そのパリサイ派の一人が言いよった。
先生、この女は律法に決められている悪いことをしているときに捕まりました。こういう女は石で打ち殺せと、モーセは律法の中で命じています。ところで、あなたはどうお考えになりますか。
あ、このパリサイ派のやつ悪者や、関東弁やし。
………(--; そうや、これは罠やったんや。イエス様が「石で撃ち殺せ」と言うたら、「イエスは、『隣人を愛せ』といいながら、石打で殺すように言った。」とか「ローマ皇帝でもないのに死刑を言い渡した」と言って捕まえる。逆に赦せと言ったら「モーセの律法を守らない不届き者だ」と言って訴えるつもりだったんや。
悪いやっちゃなぁ。
ところで、お前やったらどうする?
う〜〜ん、分からん。
イエス様はその時にな地面になんか字を書いていて、すぐに返事をせえへんかったんや。指で地面に何かを書いてはった。
ほぅら、やっぱし分からんかったんや。
それはどうかな。そしてパリサイ人がしつこく聞き続けたから、ついに立ち上がって。
やったぁ、全部やっつけた。(。。)☆\バキ
(--; 違う!こう言わはった。
「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」
はぁ〜〜?
どうや、おまえ投げられるか?
そら、その女悪いことしたんでっしゃろ…
そうや。そうやけどお前は、一つも悪い事したことないか?
………ある。………石、投げられへん。
そうや、一人として「自分は一つも罪を犯したことが無い」と断言できる人間はいなかった。この時も、一人また一人とそこから帰っていった。そして誰も居らんようになったんや。
そらそうや、私かて帰りますわ。
誰も居なくなって、その女の人だけが残った。イエス様は顔を上げてこう言われた。
「婦人よ、あの人たちはどこにいるのか。だれもあなたを罪に定めなかったのか。」
「罪に定める」っちゅうのは、有罪だと言うことや。そしたら、その女の人が
「主よ、だれも」
嬉しかったやろうな、でも、まだイエス様が残ってる。イエス様だけが罪を犯したことが無くて、この女の人を罪に定める資格があるお方や。女の人は、まだ不安やった。そしたらイエス様が
「わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。これからは、もう罪を犯してはならない。」
やったぁ〜〜\(^o^)/ 良かったなぁ
イエス様はこの女の人がとても反省していることを、よおく知ってはった。悔い改めていることを知ってたんや、そやからその罪を許して彼女にやり直しのチャンスをくれたんやな。
なるほどなぁ
な、たとえお兄ちゃんが許してくれなくても、反省しているんやったらイエス様は必ず許してくださる。イエス様信じてたら大丈夫っちゅうこっちゃ。な怖いことないやろ、謝ってこい。
そやけどなぁ
大丈夫や、行ってこい。ところで傷つけたんは、なんのゲームや?
これやねん、わしこんなん持ってないし、お兄ちゃんのや。
これワシがお前のお兄ちゃんに貸してやったゲームやないかぁ。(--;
え゛〜〜ご免なさいm(_ _)m
ワシも…(;_;) お前を罪に定めない。(;_;) 行きなさい。(;_;) これからは、もう傷を付けてはならない。(;_;)
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